これからの情報処理と情報発信
「情報」というトピックスに関してはこれまでも何度も取り上げてきましたが
私達デザイナーは、「情報」を整理整頓・加工するのが仕事です。
同時に、自分が持つ情報の質と量が仕事のクオリティにも直結します。
その為、日々あらゆる場面、あらゆるところから様々な情報を取り入れています。
日々世界中のいたるところで新しいイノベーションやアイデアが沢山生まれています。
アイデアは私達が不便に感じていることや、課題と考えているもの、変化を求めているものを
画期的かつシンプルに解決してくれます。
それら世界中で生まれている様々なイノベーションやアイデアの事例に学び、実際に試し、また更なる改善を育み 日々の仕事に取り入れながら、クライアント様のご依頼、ご要望に対し「こんな方法があったのか!」という クリティカルな提案をする土台をつくっています。
今日はそんなデザインの中にある情報というカテゴリーで、「情報処理」についてのお話を少しさせていただきます。
人間の処理能力の限界を超えた現代の情報量、どう扱うか?
さて、そんな様々な「情報」—
昔は本や雑誌、テレビやマスメディア、あるいは人伝てでしかそれらの情報を得ることはできませんでしたが
これだけネットが発達した現在ではいつでもどこででもキャッチできるようになりました。
しかし同時に非常に膨大な情報を捌ききるには相応の時間と労力(+ちょっとした技術)が必要なのも確かです。
また、膨大すぎる情報の中、本当に大切な情報を埋もれさせてしまったり、チェックが漏れてしまうことも往々にして増えています。
そんな時に、この情報処理を効率化してくれるガジェットも沢山ありますね。
その趣も時とともに色々と変化していっています。
少し前までなら、「Feedly」等のRSSフィードリーダーにチェックしたいサイトのRSSを登録しておいて
そこから自動的に情報を収集するというのが主流でした。
しかし、RSSをそのまま使っているだけではすべての記事が流れてきてしまいます。
中にはたいして欲しくないものも流れて来ていたでしょう。
そこでフィルタリングをしたり、あるいは気に入った記事だけをブックマークにまとめたり他のアプリに保存してまとめるようになりました。
「Pocket」や「Evernote」などがその代表ですね。
「Pocket」は個人的にとても気に入っているアプリの一つで「外部ブックマーク」のようなサービスです。元ページが削除、リンク切れすると無効になるという点ではブックマークと同様です。
「Evernote」はページとして保存しておけばネット環境が無くとも内容を確認できたり、元ページの記載に変更やページそのものが削除されても残しておけるのが非常に良い点ですね。
ただ、保存にかかる時間が結構長いのと、UIが若干使いづらいのが個人的にはあまり気に入らない点です。
この辺りのアプリやガジェットを使っていると基本的にはそれだけで十分ではありますが
集めた情報を誰かに共有したい、と思った時これらのものではちょっと不便があります。
このどちらも「共有する」という点では内向的であくまでも「自分用のもの」かなという感覚があります。
そこで、これまでは
日々集めた情報から、ちょっと面白いんじゃないかな?というものや、世の中をちょっと良くしそうなものを
ブログやSNSを用いてシェアしたりもしてきましたが、昨今のSNSは基本「タイムライン」。
あっという間に流れていってしまって埋もれます。
かといってすべてブログにするには時間と労力がかかりすぎる。
また、このブログの主題からあまりに逸れるようなものやマニアックすぎるものなどはすべてお蔵入りさせてきた状態でした。
これではちょっともったいないなと感じていて もう少し効率的かつ迅速に情報を伝えられるものを考えていました。
そこで今回紹介する「Flipboard」。
結構前からあるサービスですが、以前はモバイルアプリ専用のものであり、色々と不便もあるものでした。 しかし今年になってWebアプリが発表されたことにより、一気に利便性が上がりました。 (※閲覧そのものや操作はモバイルアプリからのほうが軽快で小気味いいです)
Flipboardとは?
Flipboardは特定のトピックスに関する内容を選択して受け取れ、
そのトピックスに関する様々な記事(他サイトの記事)をシームレスにどんどん読み進めて行くことができます。
その為、いくつものサイトを横断しながら、情報収集する際、時間の短縮と効率化に大変有効です。
また、下記のような特長があります。
- それらの記事の中で気に入ったものを「フリップ(ブックマーク的なもの)」して、自分の「雑誌(フォルダ的な)」に集めていくことができる。
- RSSフィードなども登録できる為、自分が購読している他サイトのページなどもFlipboardに流しこめる。
- Pocket同様、ブラウザで閲覧中のページをクリック一つで自分の雑誌へフリップすることもできる。
- 特定の編集者(ユーザー)・雑誌をフォローすれば、その更新情報を受け取ることができる。
なので、当初はPocketとEvernoteの上位互換として使っていましたが(Flipboard一つでこの二つのほとんどの機能をカバーできる為)
Flipboardの自分用フォルダの名称—「雑誌」 ここからちょっと色々考えつきません?
そう、あちこちから自分が集めた内容を一つの「雑誌」として公開することができます。 あるいは特定の分野のことを調べたりしたものを「一つの読み物として編纂」することもできるでしょう。
つまり、Flipboardを使えば、誰でも簡単に、「小さなキュレーションメディア」を構築することができるんじゃないかな、と考えています。
“編集長”になろう
前述の通り、現在では自分の(Webでの情報源)をすべてFlipboardに流し込み一元管理しています。その中からさらにピックアップしたものをカテゴリーごとに分け、「雑誌」として作成しています。
相当マニアックなネタも多いため(苦笑)すべてを公開している訳ではありませんが、公開しているものの中から今回一つ、紹介させていただきます。
こちらは割とライトなトピックスを集めていて、誰でも楽しめるものではないかなと思います。
Flipboardにはほぼ毎日記事を追加していますので、ちょっとした日々の読み物にでもしていただければ幸いです。
※Flipboardにはすでにいくつかの雑誌を作成しています。時を見てそれらも公表(すでに公開はしていますが)していこうと考えています。
あとがき
ブログ等「Webページ」はもっとユニークでオリジナリティのあるものをこそ増やしていくべきで、どこかの記事の焼きましやコピーならばいらないと考えています。(むしろ検索の妨げになる障害物でしかない)
同時に、元記事がすでに素晴らしい・時限性が少ないものなど、「タイムラインに埋もれさすには少々もったいない」情報等はこうしたかたちで一つにまとめて公開する…
これからは情報の性質ごとに、発信媒体を適切に選び、届けるべき方へ的確に届けられるように工夫していこうと考えています。
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